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植物が持つパワー(全3回)第2回

みなさんは植物の持つパワーについてご存じですか?食品や化粧品など、植物由来製品は現代社会の中に数多く存在しています。でもその植物の持つパワーについてはご存じない方も多いのではないでしょうか?
植物療法士(フィトセラピスト)であり、日本フィトセラピー協会代表理事を務める池田明子先生は、「植物が持つパワーを生活に生かすことで、ココロとカラダが潤った毎日が送れる」と話します。今回、植物の持つパワーや活用方法について池田先生にお話を伺い、3回にわたってお届けします。第2回目は植物由来成分の機能と働きについてです。

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2.「実はこんなにすごい!“植物由来成分”の機能とはたらき」

植物が身を守るために持っているフィトケミカルは、その種類によってさまざまな働きがあるといわれ人間にとっても有効です。例えば多くの植物が紫外線から身を守るために持っている強い抗酸化力のある成分は主に老化予防などに役立ちます。特に抗酸化作用が強いものは薬や化粧品の材料になると池田先生は話します。

ほかにも自律神経を整えてくれたり、抗菌・抗ウイルス、鎮静・消炎・デトックス、脳機能強化、代謝促進・免疫向上・動脈硬化予防など、フィトケミカル(植物由来成分)の効果は多岐にわたります。
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野菜や果物を食べることで、フィトケミカルを手軽に取り入れることができます。また、植物の花や葉、根などを丸ごと使ったハーブや植物がもつフィトケミカルのうち揮発性の香り物質だけを取り出した精油を活用するなど、植物の力を生活に取り入れ、健康に役立てる方法はさまざまです。
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池田先生は「一枚の葉、一つの植物の中には多種多様なフィトケミカルが含まれています。医薬品の多くが植物の単一成分を化学合成しているのに対して、ハーブやアロマには植物をまるごと使った植物由来成分が多成分で含まれているのが特徴です。多成分で私たちの体に働いてくれることで、ココロとカラダの双方に作用してくれます。また、多成分だからこそ、優しいのもポイントです」と話します。

そして重要なのはその成分の抽出方法です。
コールドプレス(低音圧搾法)や、超臨界CO2抽出法、水蒸気蒸留法など、植物に応じて適切な方法で抽出することが、植物の持つパワーを活かす大切なポイントなのです。

【記事監修】

池田明子(いけだあきこ)/フィトセラピスト(植物療法士)、ソフィアフィトセラピーカレッジ校長、西九州大学客員教授、一般社団法人日本フィトセラピー協会代表理事、一般社団法人日本ハンドケア協会代表理事、植生工学士


臨床検査技師として病院勤務の経験からフィトセラピー(植物療法)を学び、2006年東京・自由が丘にて、フィトセラピストやハンドケアセラピストの養成校ソフィアフィトセラピーカレッジを設立する。日常生活から医療、介護分野までのフィトセラピー、ハンドケアの有効活用を普及。現在は全国各地で講座を主催するほか、大学や専門学校とのコラボ講座も積極的に行う。夫は俳優・歌手の梅沢富美男。